女子高飛び込み決勝で、板橋美波(16=JSS宝塚)が356・60点の8位と、同種目の日本人選手では36年ベルリン大会の4位大沢礼子、6位香野夫佐子以来、80年ぶりの入賞を果たした。女子では世界でただ1人武器にする「前宙返り4回半抱え型」を回避し、ミスの少ない安定した演技を披露した。初出場でステップを踏んだ16歳は、4年後の東京大会での金メダル獲得を宣言した。

 悔しさと喜びが絡み合った涙があふれる。板橋は最後の5本目で83・20点とこの日の最高得点を出した。合計356・60の8位。飛び込み女子の日本勢では、96年アトランタ五輪板飛び込みの元渕幸以来20年ぶり、女子高飛び込みでは80年ぶりの入賞。「メダルを狙っていたので悔しいが、初めての五輪で決勝に残れて良かった」と素直な気持ちを吐露した。

 小学3年時、五輪3大会出場の馬淵かの子さんから脚力などの才能を見いだされた。当初は高い所が苦手で板の3メートルでもおびえた。「恐怖心を克服するには数をこなすしかない」と馬淵崇英コーチ。毎日、泣きながら練習をこなした。小学6年で全国大会制覇。中学3年だった2年前の日本選手権は最年少で制した。

 昨夏は世界選手権では五輪出場権を逃した。直後のアジア杯でも獲得はならず、14年に最年少優勝した日本選手権も2位に終わった。五輪前年は「つらかった。泣きっぱなしの1年」だった。支えは同じJSS宝塚で20歳上の寺内健だった。5大会五輪出場の先輩が地道に練習する姿を見ると「自分も負けていられない」と頑張れた。

 今年2月のW杯で五輪出場権を得て、1日10時間の猛練習を続けてきた。右足首、腰と痛みは出たが耐えた。この日の決勝では大技の「前宙返り4回半抱え型」を封印、安全策に出た中で入賞を勝ち取った。「初の五輪でいろいろな経験ができた。次こそ金メダルを取れるようにしたい」。20歳で迎える東京大会ではうれし涙だけを流したい。【田口潤】

 ◆板橋美波(いたはし・みなみ)2000年(平12)1月28日、兵庫・宝塚市生まれ。宝塚小1年の時にJSS宝塚で競泳を始め、3年で飛び込みに転向。御殿山3年だった14年8月の全国中学大会では高と板の2冠を獲得。同9月の日本選手権では板で、最年少14歳で優勝。昨年4月に甲子園学院高に進学。家族は元柔道選手の父秀彦さん(46)母美智子さん(45)と兄。150センチ、40キロ。

 ◆高飛び込み 飛び込み台の高さは10メートル。コンクリート製の飛び込み台からジャンプし、フォームの美しさと正確さを競う。速度は時速50キロ以上。ジャンプは男子6回、女子5回。演技の種類ごとに難易率(点数)がある。1回のジャンプで7人のジャッジが10点満点で採点。7人の採点のうち、上位2人と下位2人を除く3つの採点を合計し、難易率を掛けた値が得点。女子では1回のジャンプで100点を超える選手はあまりいない。女子は5回のジャンプの合計得点で争う。